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貿易戦争長引く公算、アジア通貨の底はまだ-ベテラン債券運用者

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Emerging-market currencies have underperformed this year as the dollar gains© Bloomberg Emerging-market currencies have underperformed this year as the dollar gains

 

(ブルームバーグ): 米国と中国の間の貿易戦争は長引き、アジア通貨はさらに深く落ち込む。30年以上の投資経験を持つルーミス・セイレスのポートフォリオマネジャー、リンダ・シュバイツァー氏はこう予想している。

  そうしたリスクを減らすため、同氏はアジア新興国通貨へのエクスポージャーを減らしてきた。「この貿易戦争が行き着くまでの間、不透明な期間が長期に及ぶだろう」と同氏は分析。「当社はアジア通貨から手を引いている」と語った。

  先週はトルコ危機が市場を揺るがせたものの、アジア新興市場資産にとっての不確定要素は引き続き米中貿易紛争だとルーミスやオッペンハイマーファンズはみている。

  シュバイツァー氏はアジア外貨建てポートフォリオをベンチマークと同等の水準にした。ファンダメンタルズの観点からインドネシアをオーバーウエートとしていたが、「貿易戦争の懸念が深刻化するのに伴い、中国と直接関係のあるアジア通貨全般について若干慎重さを増している」と説明した。

原題:Loomis Bond Veteran Cuts Bets on Asia FX in Trade War Hedge(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:シドニー Ruth Carson rliew6@bloomberg.net;シドニー Andreea Papuc apapuc1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Tan Hwee Ann hatan@bloomberg.net, Cormac Mullen、Shikhar Balwani

©2018 Bloomberg L.P.

 

 

割高なアマゾン、投資家が買い続ける理由は

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今年はアマゾン・ドット・コムやネットフリックス、セールスフォース・ドットコムなどの銘柄が急騰し、株式相場の上昇をけん引してきた。だが、同時にこうした企業のバリュエーションも押し上げられていることから一部の投資家は不安を感じている。

 40年にわたり株価水準とバリュエーションのデータを分析してきたゴールドマン・サックス・グループによると、S&P500種株価指数の現在の平均バリュエーションは歴史的水準の上位3%に入る。これは高値で推移しているテクノロジー株によるところが大きい。

 株の強気相場が今週、日中取引で見て史上最長に達しようとするなか、投資家の見方は分かれている。

 一部の投資家は高水準のバリュエーションについて、相場上昇に幅がなく、株が後退に脆弱(ぜいじゃく)なしるしだと考えている。クレディ・スイスが1964年にさかのぼるデータを分析したところ、株価倍率が高いほど10年間のリターンは弱かった。

 一方、テクノロジー企業は新製品開発に多額の投資をしており、市場を混乱させる力や新たな市場を生む力があるため、株価収益率(PER)といった従来のバリュエーションの意味は以前に比べて薄いと話す投資家もいる。問題は、そうした数字が企業の5年後の売上高や利益に関する予想よりも足元の状況や収益性を多く反映していることだという。

 フランクリン・テンプルトンのフランクリン株式グループで運用を担当するジョナサン・カーティス氏は、テクノロジー企業に関する議論について、「倍率については話さない。そこで会話は終わる。相手には『このビジネスが成熟時にどんな姿になっているかを理解したいのだ』と言う」

 カーティス氏らによると、投資家は短期的な利益を押し下げて高いPERをもたらす多額の投資について、長期的な視野を持たなくてはならない。

 例えばアマゾンは物流・配達網やクラウドサービス部門の拡大に多額の投資をしてきた。そのため多くの四半期で利幅が薄くなったり赤字を計上したりし、一部の投資家は日常的に新規事業を立ち上げる同社のバリュエーションの高さに疑問を持つようになった。

a sign on a wooden surface© Provided by The Wall Street Journal.

 年初来の上昇率が60%を上回るアマゾン株は、6%を超えるS&P500の今年の上昇を主導してきた。アマゾン株の上昇には、「プライム」サービスとウェブサービス部門が忠実な顧客ベースを生み出してきたことや、小売り、ヘルスケア、クラウドコンピューティング業界の再編も反映されている。

 それでも、アマゾン株は現在の予想PERが実に85倍、過去3年では115倍前後だ(ファクトセット調べ)。これに対し、S&P500指数の予想PERは約16倍となっている。

 一方、ネットフリックスは巨額の投資をしてコンテンツを取得し、加入者を引き付けて米国有数のストリーミングサービス企業になった。

 ファクトセットによると、ネットフリックスの予想PERは85倍だ。

 フェイスブックは企業がバリュエーションの外で成長できることを示す例だ。5年足らず前、同社はソーシャルメディア広告市場を支配すべく競合他社を上回る支出をし、予想PERは50倍を超えていた。だが現在では、利益が増加し23倍に低下している。

 ドイツ銀行でDWSサイエンス&テクノロジー・ファンドの運用を手掛けるセバスチャン・ワーナー氏は「こうしたバリュエーションを正当化するには、数字の裏にあるロジックを読まなければならない」と述べた。

 ワーナー氏の投資チームは、企業が多額の費用を埋め合わせた後に追加で生むとみられる現金の額や前年比で急増した売上高の伸び率の実績などを分析に取り入れている。

 MFSインベストメント・マネジメントのマット・サベル氏によると、おそらく最も重要なのは、こうした企業、特にソフトウエア業界の企業の多くが顧客に対してどれだけの金額を使い、それでいくら得ているかだ。

 セールスフォースのような企業は顧客を引き付けるために多額の支出をしており、同社のPERは50倍を上回る。だが一部の投資家はそのコストを見て高いか低いかを判断する代わりに、企業と顧客の関係の価値を見ている。

 一部アナリストによれば、顧客と複数年の契約を結ぶセールスフォースのような企業では、顧客の価値はその顧客の獲得コストより大幅に速いペースで高まる。顧客の生涯価値と企業の顧客獲得費用の比率を割り出すことで、投資家はマーケティング・販売費用の採算が合うかどうかが分かるという。セールスフォースの株価は今年43%上昇している。

 サベル氏は「今年のコストを分析し、『これだけ費用を使えば採算割れだ』というのは簡単だ。だがそのキャッシュフロー源は何年も成長し続ける」と述べた。

 もちろん、バリュエーションの高い企業には小さな過ちさえ許されない。例えばネットフリックスは4-6月期(第2四半期)の会員数が自社予想を100万人余り下回ったため、この1カ月で株価が16%下落した。

 一部の投資家は金利の上昇が過度に楽観的なバリュエーションを押し下げると警戒している。最近の超低金利のため、将来の利益を現在の価値に換算したときに相対的に高くなり、それがバリュエーション上昇を支えてきたからだ。金利が上昇して債務コストが上がれば利益率は低下すると、ナイツブリッジ・アセット・マネジメントのジョン・プリチャード社長は述べた。

 バリュエーションへの懸念が既に市場に忍び寄っていると話す投資家もいる。アマゾンやフェイスブックなどに比べて成長率が低い傾向にあるディフェンシブ銘柄がアウトパフォームしているからだ。バンクオブアメリカ・メリルリンチ(BAML)の最近の文書によると、過去3カ月のS&P500上位5セクターは生活必需品や公益、ヘルスケアなど、全てディフェンシブだった。

 プリチャード氏は「時間軸を延長するとバリュエーションの重要度は大幅に高まる」と述べた。これに金利が加われば、「いずれかの時点でPERの高い銘柄を圧迫するだろう」という。

 

マクラーレン 600LT、スパイダーも追加予定…Track25[開発責任者インタビュー]

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マクラーレンのスポーツシリーズに、新たに『600LT』が投入された。スポーツシリーズで“LT”の名称を使うのは初めて。そこで、そのほかのシリーズとの関係や、ビジネスプラン、Track25について関係者に話を聞いた。

■今後18モデルを投入

----:7月12日に開催されたグッドウッドフェスティバルオブスピードにおいて、マクラーレンは、会社設立から15周年を迎える2025年までのビジネスプラン「Track25」を発表しました。

これは、2016年のジュネーブモーターショーで発表された「Track22」の発展形であり、重要な数々の新しいマイルストーンを含む最新のビジネスプランだと聞いています。内容は、12億ポンドを投資するプランで、2025年までに18の新モデルを導入することを掲げています。具体的にはどういうモデルが考えられているのでしょうか。

マクラーレン・オートモーティブグローバル・ヘッド・オブ・プロダクトのアレックス・ロング氏(以下敬称略):派生モデルを含めて18モデルを考えています。現在あるスポーツ、スーパー、アルティメットシリーズという性格や価格で分けている戦略そのものは変わりません。

Track25は折り返し地点での戦略です。そう、我々は会社をスタートさせて7年が経過しました。そして、2025年まで再び7年あるのです。

今後7年間の自動車業界においては大きな変化が起きるでしょう。我々も内燃エンジンのみからハイブリッドになるという大きな事象を起こします。我々はそういった中の最先端にいるのです。競争相手に先んじるスーパーカーメーカーという観点からも技術を持ち合わせていますので、ハイブリッドと軽量という強みを活かして先頭に立って進んでいきます。

----:スポーツ、スーパー、アルティメットという3つのラインに変化はないということですが、この18モデルをどのように分けて投入していくのでしょう。

ロング:この3つのどれにもモデルは投入します。まずは『P1』の後継車を考えています。P1というのは技術的にも画期的な優れたクルマでしたので、次世代P1においても、第1世代が出た10年後ぐらいに、また画期的なブレークスルーとなるモデルを出す予定です。

スポーツとスーパーにおいては、ここのラインは安定して確立されたライフサイクルがあります。まずクーペをローンチし、次にスパイダーを出し、そしてLTが出ます。LTはライフサイクルの最後に出すというイメージです。

これはマーケットのお客様に、いつ出るのかというタイミングを明らかに示せるということです。これによって需要も、そして中古車の残存価値もしっかり安定化するということにもつながるのです。

■SUVはない!!

----:現在、スーパーカーや超高価格帯に進出しているメーカーは、こぞってSUVを出してきています。マクラーレンはどのようにお考えですか。

ロング:それはありません!! 我々は設立されてからまだ7年しか経っていません。この短期間に、マクラーレンは何を体現するのかということを、しっかり確立してきました。それは軽量でありハイパフォーマンス、2シーターでミッドエンジンというもので、これらをしっかりと打ち出してきたのです。その結果、我々は、スーパーカーマーケットでの“トゥルードライバーカー”だという評判を確立したのです。そしてこれからもこのことをしっかりと守っていきたいと考えています。

なので、別の要素の入ったクルマを出すことで、これまで確立したものを弱めたくありません。他社がそれをやるのは一向に構いませんが、我々はこの戦略を一貫して進めていきます。

また工場のキャパシティにおいてもSUVが入る余地はないということもあります。

■6000台を上限に

----:そのキャパシティを含めてですが、Track25では2025年頃までに年間6000台ほどへ規模拡大を考えているとのことです。その一方で希少性ということもマクラーレンとしては重要視しています。マクラーレンが考える希少性の台数の上限は何台ぐらいなのでしょうか。

ロング:6000台がそのぐらいだと思っています。この台数は2024年頃に到達できると考えている台数で、Track25の終わり頃を目指しています。この間に我々はレンジを構築して、ブランドのイメージをさらに向上させていきます。

今年の上半期では売上を倍増させましたので、高い成長率を誇っています。これを今後安定化させ、ロイヤルカスタマーのベースとなる層を出来る限り構築し、そうすることで徐々に成長も上乗せしていきたいのです。それらを踏まえても6000台というのが希少性をしっかり保て、高い需要も保てる台数なのです。また、需要より1台少ない水準で希少性を保てる台数でもあるのですね。

一方競合他社は特にSUVが投入されることもありますから、状況が少し異なってくるように思います。そこで我々は世界で一番希少性の高いスーパーカーメーカーになると思っています。これが我々にもお客様にも重要だということで、我々は他社とは違うのです。

■LTという究極のレシピ

----:600LTについてお伺いします。以前、『675LT』がスーパーシリーズで導入されましたが、LTという名称をスポーツシリーズで使うのは初めてです。なぜLTをスポーツシリーズにも導入したのでしょう。

ロング:スーパーシリーズの675LTは大成功でした。2週間で売り切れたということだけではなく、ブランドの観点からも、精緻であるだけではなく、高揚感があり、楽しくワイルドな側面も構築できた。だからこそ成功だと呼べるのです。ドライバーが、ステアリング、シート、そして耳からもクルマと一体感を感じることができるという、スポーツカーのエキサイティングな形を作ることができました。

一方スポーツシリーズの『570S』は一番楽しいクルマということで、ドライビング性能が高く、細かく機微に触れる所までこだわったクルマで、これもスポーツシリーズの中で確立されたクルマといっていいでしょう。

そしてLTです。「LT」と名乗るクルマは、パワーもダウンフォースもあり、そして軽量化という良い“レシピ”で、それとスポーツシリーズとは良いコンビネーションだと思います。マクラーレンで究極の高揚感を生み出す『720S』や『セナ』とは違う特徴を持ったクルマですから、乗ってすぐに100%にっこり笑えるようなそういうクルマに仕上がっていると思います。つまり、スポーツシリーズとLTの融合がエキサイティング、高揚感を生むと判断してのラインナップなのです。

----:LTという名称は、よりハイパフォーマンスなものだけにしか使われないのかと思っていました。

ロング:それぞれのシリーズの役割や特徴を考えると、どのシリーズであっても、LTというレシピを究極の形で組入れることができます。600LTにおいてもエンジニアリングがディープで、本物ということです。

例えば100kgという減量は非常に重要です。これはパワーよりも重要な要素だったかもしれません。それからラップタイムが速いということ。技術がどんどん進化していますので675LTよりも600LTの方がラップタイムは速いのです。これはピレリのタイヤも貢献しています。サスペンションやダウンフォースコントロールもできており、本当にスーパーハイパフォーマンスに仕上がりました。

このようにテクノロジーもどんどん進化しており、LTと名乗るクルマのそれぞれが必ずスペシャルなものに仕上がっているのです。

■シリーズの差はより明確に

----:今の話を伺うと、スーパーシリーズとスポーツシリーズがすごく近くなった印象を受けてしまったのですが。

ロング:スポーツシリーズはこのLTによってステップアップしました。一方720Sでスーパーシリーズは大きく前進しています。

実はこのレンジの定義はこれまでよりもより明確になってきているのです。2年前の570S、『650S』の頃は少しパフォーマンスが近づいていた時期でもありました。しかし720をスーパーシリーズで出した時にはアクティブなエアロダイナミクスやキネティックサスペンションのほか、これまでよりも120psもパワーもアップしました。それによりしっかりと差別化ができるようになったのです。

600LTはよりエキサイティングなクルマになっていますが、スーパーシリーズは必ず技術的にもパフォーマンス的にもこれからも高くあり続けますので、ギャップはさらに広がり続けると思いますよ。求められるものがはっきりと違いますからね。

■600LTにも追加車種

----:675LTにはスパイダーが出ましたが、600LTモデルにも出るのでしょうか。

ロング:はい、出ます。1年より少し先の話になるでしょうが。現在工場では5車種、720S、570S、『570スパイダー』、600LT、セナを作っています。600LTは1年間限定、その後スパイダーを1年間限定で作ります。いずれにせよ来年(2019年)以降の話です。クーペとスパイダーの差は、675LTと同様に、カーボンシャシーは同じで、ルーフだけが違うものになるでしょう。

----:そのスパイダーは18のモデルに入っているのですか。

ロング:その通りです。18のモデルには完全に新しいものと派生モデルの両方が含まれており、この600LTスパイダー(仮称)は派生モデルと位置付けます。

 

顧客の細かな要望に応え続ける「レッツノート」を生み出す、製造プロセスの強さに迫る

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顧客の細かな要望に応え続ける「レッツノート」を生み出す、製造プロセスの強さに迫る

取材・文:中野渡淳一、写真:山下拓也

14年連続でモバイルノートPCシェアNo.1(※)に輝く、パナソニックの「レッツノート」は、1台からのカスタマイズが可能なうえ、全機種が日本国内で一貫生産されている。人材不足や新たな付加価値の創造など、さまざまな課題が叫ばれる製造業において、顧客のニーズに応え続け、そこから得られた知見を生かして製造プロセスの改革を行っている神戸工場の取り組みを紹介する。

※出典:(IDC Japan Personal Computing Quarterly Model Analysis Share by Company, 2018Q1)13インチ未満ノートPCとコンバーチブルPC(2010~2017年はUltraSlim, Mini Notebookを除く)

顧客との親密性をモノづくりに生かす

いまや、私たちの仕事に欠かせない存在となったパソコン。多様な働き方にともなう機能性や携帯性、過酷な環境下でも使える耐久性などをふまえ、製造メーカー各社はこれまで自社の商品を進化させてきた。

そんななか、特にビジネスユーザーのニーズに応え、高いシェアを獲得しているのがパナソニックのビジネスモバイルPC「レッツノート」だ。

レッツノートは1996年に誕生し、2002年には主にビジネスマンへ向けた製品へとモデルチェンジした。小型軽量、長時間のバッテリー駆動、光学式ドライブ内蔵といったビジネスモバイルPCに求められる性能を満たした同製品は、高い耐久性と堅牢性で多くの顧客から支持されている。その生産拠点となっているのが、今回訪れた神戸工場(兵庫県神戸市)だ。

「レッツノートの特徴は、企業のお客様の利用率が非常に高いことです。この神戸工場にも、毎年、海外を含めて約2000人ものビジネスユースのお客様がご見学・ご視察に来られます」

そう語るのは、パナソニックでビジネスモバイルPC事業を展開するコネクティッドソリューションズ社(以下、CNS社)の清水 実氏だ。

インタビューに答える清水氏

パナソニック株式会社 CNS社 モバイルソリューションズ事業部 プロダクトセンター所長の清水 実氏

清水氏が統括する神戸工場では、ビジネスモバイルPC「レッツノート」の全機種と、海外で人気の高い頑丈ノートPC「タフブック」の一部商品を生産している。

水平分業によるOEMや海外発注が一般的となったパソコン生産だが、モバイルソリューションズ事業部では「ジャパンクオリティ=日本のモノづくり」に拘り、レッツノートの開・生・販・アフターケアすべてのプロセスを自社一貫で手がけている。

その中でも神戸工場は、国内では少なくなったメイン基板の部品実装から組立完成・検査のすべての生産工程を行うだけでなく、製品のWEB販売や、特定のお客様にはコールセンターを介する修理サービスまでも行う珍しい工場であり、工場の人間がお客様と直接会話することにより、どこよりも早く「お客様の声を現場に活かす仕組み」を整えている。

「神戸工場が大切にしているのは親密性です。すべての職能がお客様とダイレクトに会話をしてモノづくりに取り組む、『顧客密着型の工場』を運営しています」(清水氏)

高品質な多品種少量生産を支える製造体制

ビジネスモバイルPC に対する顧客のニーズは、機能やデザインなど実に多岐にわたる。それらのニーズに応えるため神戸工場では、「自動化」と「匠の技」を生かした高品質な多品種少量生産をはじめ、きめ細やかな製造体制を取っている。ここからはレッツノートの製造プロセスを見てみよう。

まずは基板実装エリア。表裏合わせて1000点から1500点ほどの部品が搭載されたプリント基板が自動実装機で生産される。主要ラインはMtoM(Machine to Machine)を導入し、機械同士が自動連携して、人を介さずに微細部品のズレを修正処理している。

工場内の実装エリア

メイン基板の実装エリア

実装された基板は、アームを持った双腕ロボット「Zeus」の前へと移されて検査を受ける。

工場内の検査エリア

Zeusの視線の先には検査結果が表示されるディスプレイがある

最新型の双腕ロボット「Zeus」は2本の腕に加えて、「目」となるカメラを3つ搭載しており、目で見て、基板ごとに適した検査治具への取付け、検査、モニターに表示される検査結果を見て適切なラックに収める。以前は、熟練作業者が自らの手で専用治具を用いて行っていた細かな作業や検査をロボットが行うことで、高品質化と製造のリードタイム短縮が実現した。

Zeusは実証段階でノウハウを蓄積しているところだが、将来的にはさらに進化したロボットと人が入り混じった「ハイブリッドアッセンブリ」で、製造ラインの最適化を進める予定だという。

実装と検査が済むと、いよいよ「人」の出番だ。

工場内の組み立てエリア

完成した基板は、「セル」と呼ばれる作業台が並ぶ組み立てエリアへと運ばれ、他の部品とともにパソコン本体に組み込まれていく。

作業者は1人1台のセルを受け持ち、自分の作業が終わると、組み立て途中の製品を次の作業者へ手渡す。生産量に応じてラインの長さ、形、本数を簡単に変化できるこの生産方法が、神戸工場ならではの「ライン型」と「セル型」の長所を合わせた「ラインセル生産」だ。
加えて、セルで使う部品や工具を交換すれば少人数で別の製品を生産できるため、「ラインセル生産」は、月によっては数倍の生産変動があったり、毎日数十回機種の切り替えを行う多品種変量生産に最適な生産方式といえよう。

さらに、ハードウェアやソフトウェアにかかるカスタマイズが必要な場合は、別フロアにあるコンフィグレーションサービスへと回される。

コンフィグレーションサービス内の様子

「ご要望があれば、メモリーの増設やストレージの容量変更、セキュリティ対策として指紋センサーの搭載など、さまざまなカスタマイズを用意しています。また、お客様のコーポレートカラーに合わせたカラーリング変更やトレードマークなどのプリント、シール貼り、電源を入れるだけですぐに使えるようにセッティングした状態でオフィスへレッツノートをお届けするなど、一品一様のサービスをご提供しています。」(清水氏)

顧客満足度を一層高める、徹底した品質管理

神戸工場で作られるビジネスモバイルPCや頑丈ノートPCが獲得する高い評価は、製品のあらゆる使用シーンを想定して行われる品質試験にも裏打ちされている。

例えば、オフィスデスクからの落下を想定した高さ76cmからの落下試験や、カバンに入った状態での落下を想定した高さ30cmからの落下試験。満員電車内などで受ける圧迫を想定した液晶ディスプレイ局部加圧試験。液晶ディスプレイの開け閉めを支えるヒンジ(液晶とキーボードをつなぐ部品)の耐久試験。荒天や埃の多い環境下での使用を想定した防滴・防塵テスト。また、電磁波測定テストなど、出荷後に想定されるさまざまなケースを想定した厳しい検査を実施している。

品質管理試験の様子

専用機器を使った高さ90cmからのタフブック落下試験(レッツノートの場合は高さ76cmで実施)

品質管理試験の様子

防滴試験では、試験装置で360度方向から水を浴びせるほか、専用ホースを使った放水、水深1mの水槽のなかに30分間浸すなど、さまざまな検査を受ける

電波暗室の内部

壁と天井に電波吸収材が敷きつめられた「10m電波暗室」を工場敷地内に設置。製品から発する電磁波が他の機器や人体に影響を与えないかテストし、すばやく計測結果を製造側にフィードバックする

また、神戸工場では「KISSシステム(Kobe Intranet Solution of Super-production)」を利用し、組み込まれた部品の購入情報から、実装、出荷まで徹底した製品管理を行っている。

「KISSシステム」の概要図

製品管理を行う「KISSシステム」の概要図

KISSシステムでは製品のシリアル番号を読み取ることで、生産された日時、部品のロット単位までたどることができ、万一、生産工程で不具合が発生した場合はアラームが発信される。出荷後については、世界中の修理状況から故障の予兆を把握できるシステムも導入しており、万一の問題が発生しても迅速な原因究明と顧客への対応が可能となる。

また、コールセンターでは神戸工場のスタッフみずからが顧客からの問い合せや相談に応対する。修理を通じて顧客とダイレクトにつながり、現場への即時フィードバックが可能になることで、製造プロセスにおける改善を加速。常に最高品質の製品を生み出すことで、顧客満足度の向上に努めている。

工場内にあるタフブック

生産ラインの管理には、頑丈ノートPC「タフブック」も活躍

「日本のモノづくり」で故障ゼロの世界を目指す

製造ラインにおける自動化と匠の技、厳しい品質検査、1台1台の製品とつながる独自の管理システムなどさまざまな特徴を持つ神戸工場だが、それらを下支えするのは、やはり「顧客密着度」に尽きる。

さかのぼれば1990年代半ば、日本ではまだ高価なオフィス機器というイメージが強かったパソコンは、欧米ではすでにオフィス以外の現場作業でも使われ始めていた。そのような海外企業が望んだ「泥まみれの現場でも使える頑丈なパソコンが欲しい」という声が、パナソニックのビジネスモバイルPC、頑丈ノートPCづくりのルーツにあるという。
以来、神戸工場では「現場で『道具』として使えるパソコン」を目指し、堅牢性や耐久性、軽量化などを求める顧客の声をもとに、ビジネスモバイルPC「レッツノート」や頑丈ノートPC「タフブック」の開発・進化に取り組んできた。

それだけではない。神戸工場はみずからを「ショウルーム」と位置づけ、ビジネスユースの見学のみならず、小中高生向けの「手づくりレッツノート工房」や大学生向けの「PCカレッジ」などを開講するなどし、工場に新しい価値を持たせている。こうした活動の背景には「ジャパンクオリティ=日本のモノづくり」に対する思いがあると、清水氏は力説する。

インタビューに答える清水氏

パナソニック株式会社 CNS社 モバイルソリューションズ事業部 プロダクトセンター所長の清水 実氏

「日本は世界に名だたる『モノづくり立国』です。そこには日本人ならではの手先の器用さだけではなく、勤勉さや、お客様へのおもてなしの心と、お困り事を解決し、お客様の笑顔を見たいという温かい気持ちが息づいています」(清水氏)

今後も「日本ならではのダントツ品質のモノづくり」を追求したいという清水氏が描く究極の目標は、「故障ゼロ」の世界だ。工場と顧客が持つ個々のパソコンをつなぎ、部品交換の必要性をAIなどで察知し先手を打つことで、部品の消耗や劣化による故障をゼロとする。それを2025年には実現したいと語る。

「数年前にタブレットが登場したように、モバイル端末は今後も多様化していくでしょう。どんな時代になっても、変化に対応できる人とロボティクスが融合した最先端のスマートファクトリーであると同時に、常にお客様とつながり、そのお困りごとを解決できるソリューションセンターでありたい。それが私たちの願いです」(清水氏)

事業のスタート時から、一貫して変わらない「お客様の声に応えたい」という強い思い。ビジネスモバイルPCの次なるスタンダードが、パナソニックの神戸工場から生み出される日が待ち遠しい。






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容疑者逃走「不安と心配かけ申し訳ない」 府警本部長

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大阪府警富田林署で留置中の樋田淳也容疑者(30)=強制性交、強盗致傷などの容疑で逮捕=が接見後に逃走した事件で、府警の広田耕一本部長が20日、同署で事件後初めて報道陣の取材に応じ、「市民、住民のみなさまに不安と心配をおかけし、大変申し訳ない」と謝罪した。

 広田本部長は同日午後、富田林署を訪れ、捜査本部や面会室などを視察。その後、約10分間取材に応じ、事件について「色々な要因が重なって生じた」との見解を示した。また再発防止策を徹底するとともに、市民らへの情報提供が遅れたことについて、「大変申し訳なく、しっかりと対策を講じる」と述べた。

 広田本部長は事件後の15日、同趣旨の謝罪コメントを発表。府警の総力を挙げて逮捕するとしていた。